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#10 ホームページ制作会社の選び方

前田 大地

企業のホームページ制作で最も重要なのは、作る「物」ではなく作る「者」だ。

重要視されていない制作会社選び

実際のところ、ホームページ制作会社を決めた時点で、成果の大半が決まる。これは決して、大袈裟ではない。にもかかわらず、制作会社選びがあまり重要視されていないのでは?と感じることが多々ある。

もしもあなたが、ホームページ制作をプロに依頼しようと思ったら、どのように制作会社を選ぶだろうか。私の経験上、

  • 以前から付き合いのある業者にお願いする
  • 知り合いに良さそうな業者を紹介してもらう

というケースが圧倒的に多いと感じている。インターネットに詳しければ自分で検索して調べることもできるが、全く接点の無いところから探そうとする人は実のところ少数派だ。中には、知っている業者に問題があると分かっていながら、それでも「知らない業者よりは・・・」と、業者選定そのものを放棄してしまうケースもある。

また、「制作会社を決める時点ではまだ本腰が入っていない」という人も非常に多い。ホームページ制作は、制作会社との契約がスタートのように錯覚している人もいるが、それでは遅すぎる。むしろ、制作会社を決めることのほうが、その後の具体的な作業よりも大切だと思っているくらいでちょうどよい。

自分で泳ぐよりは早いからと船で出発したものの、やっぱり飛行機に乗れば良かったと後悔した時は海の上。これが本当の「航海」・・・なんてジョークを咄嗟に思いつく自分に戸惑いつつも、そうならないための、少しばかりの労力をかけた、制作会社の選び方を紹介しよう。

インターネットで絞り込む

まずはインターネットで良さそうな制作会社を絞り込む。「地名+ホームページ制作」といったキーワードで検索すれば、近隣の制作会社がたくさん出てくるだろう。それを上から順番に、気が済むところまでチェックしていく。

チェックの方法は非常にシンプルで、「ホームページに目を通す」ことだ。あまりにもデザインが古臭いとか、書いてあることが胡散臭いとか、自分の中でアウトなものは除外していく。この段階では、制作料金に関しては特に気にしなくてもいい。その金額が妥当なのか、どれだけのリターンが見込めそうか、詳しい話を聞くまでは誰にも分からないのだから。

ひとつ注意点がある。「地名+ホームページ制作」というキーワードは、近隣の制作会社を探すためのキーワード例であって、そのキーワードで上位の制作会社の方が優れているという意味ではない。全国対応している遠方の制作会社がヒットすることもあるが、あまりに距離が離れているなら諦めよう。遠距離恋愛と同じで、最初は良いと思っても、徐々に会えないことがストレスになる。

そうこうしているうちに、あなたは、制作会社の個性がなんとなく見える能力を身につける。そして、それと同時に、ある重大な事実に気が付く。「多くの制作会社は、言っていることに大差がない」ということに・・・。

3社に相見積もりを取る

もしかしたら、もうこの時点で、あなたの中でお気に入りの制作会社が決まっているかもしれない。それはそれで素晴らしいことだが、見積りは必ず3社に取ること。見積もりの依頼は、ただ金額を知ることだけが目的ではない。その制作会社の提案力や、誠実さ、担当者との相性などを確かめるための重要なステップなのだ。そのため、必ず制作会社の担当者とは直接会うようにしたい。

担当者には、相見積もりをすることを伝え、自分たちがやりたいことや、どんなホームページを制作したら良いかのアドバイス・意見のやり取りを行おう。ホームページは多くの場合、具体的にどんなものを作るのかが決まらなければ、はっきりとした金額が出せない。最初の話し合いの中で金額が提示されることは稀なので、ひとつの制作会社について、見積りを依頼した時と完成した見積書を受け取る時の計2回、話ができるチャンスがある。

このやり取りを3社と行うことで、あなたは何となくホームページ制作料金の相場や、その制作会社の良し悪しが見えてくるようになるだろう。

3社を比較する

3社から見積もりが出た。しかし、提案内容が違うのだから、金額も当然違っているはずだ。ホームページ制作の見積書は、項目名が同じでも実際の内容が同じとは限らない。お互いが好きな位置から「よーいドン!」しているのに、タイムを見ただけで誰が速いかなんて分からないのだ。

実は、3社を比較する上で、金額よりも重要なポイントが1つある。それは、コンセプトやビジョンを共有できているかどうかだ。

ホームページは、企業の顔であり、戦略だ。あなたには、あなた自身の目的があってホームページを制作する。それが、「適当に競合他社のホームページを見て同じ構成にしました」では、お話にならない。逆に、どんなに奇抜な内容であっても、あなたを理解した上での提案であれば、そこにコンセプトやビジョンは存在する。

ホームページ制作会社は、ホームページ制作のプロだ。しかし、あなたのビジネスのプロではない。だから、制作会社は、あなたとそのビジネスを理解し、コンセプトやビジョンを共有しなければならない。それを曖昧なまま進めようとする制作会社は、リスクが高い。

1社に決める

最終的に、あなたは3社の中から1社を選ばなければならない。おそらくほとんどの人が、ここまで至る過程でその1社を決められるはずだ。第一印象と同じ制作会社を選んだ人も、二転三転した人も、ようやくひとつの区切りを迎えることになる。

さあ、ここからが、本番だ。・・・いや、これまでも、これからも、その先もずっと本番は続いていく。

あなたが、理想のホームページを作るため、最高のパートナーと出会えることを、私も願っている。

Web Designer / Developer

前田 大地

沼津高専中退。デザイン会社、システム開発会社を経てセブンシックスを設立。マーケティング、デザイン、テクノロジーに精通するオールラウンダーとして、県内の中小企業に向けた戦略型ホームページ制作を開始。一方で、都内の広告代理店からの要請で大企業案件にも多数参加。企業が本当に必要とするホームページ制作とは何か、を日々探求している。

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