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セブンシックス・ノート

第9回 ホームページの値段

依頼するにも知識が必要

「餅は餅屋というけれど、周りを見渡せば数えきれないほどの制作会社で溢れていている。制作会社が変われば料金も変わる。でもそれが高いのか安いのかは分からない。どの制作会社を選べばいいか分からずに、ただ時間だけが過ぎていく。結局、自分のビジネスは自分が一番良く分かっていると言い聞かせて、Amazonでホームページビルダーを注文した。」

・・・これは、とあるウェブ担当者の本当にあったかもしれない物語。そんな彼の結末は、あなたのご想像にお任せしたい。

ホームページを誰に作ってもらうかは、依頼する側にとっての最重要課題だ。その選択次第で、料金にもクオリティにも雲泥の差がうまれる。安物買いの銭失いにならないためにも、これから制作を依頼するかもしれないあなたに、注意すべきポイントをいくつか紹介しよう。

料金を先に払うか後に払うか

初期費用が格安、もしくは無料のホームページも、最終的な支払額を計算してみると、決して安くないことが分かる。

ホームページの制作料金は、そのほとんどが人件費だ。専門的な技能を持つ人間が数週間から数ヶ月の期間をかけて作る。そこには当然、人件費が発生する。ホームページ制作がビジネスである以上、かかった経費よりも安く売ることはできない。そこで、制作費を先にまとめて払ってもらうのではなく、後から毎月少しずつ払ってもらうことで、料金のインパクトを抑える制作会社が増えてきた。

企業のホームページであれば、一度立ち上げたものを意味なく閉鎖することはない。ホームページを持ち続ける限り毎月料金を支払うということは、確かに初期費用を抑えることはできるが、最終的に支払う金額は「割安」とは程遠くなる。

ホームページ制作料金を「先に払うか、後に払うか」という視点を持つことで、一見するとお手頃に感じる制作料金の、本当の意味での「金額」を知ることができる。

手間を削って費用を減らす

制作する側の手間が減れば、当然、料金も安くなる。ホームページの制作において、作業の手間を減らすために、あらかじめ用意されたテンプレート(ひな形)を使用することは一般的だ。

「テンプレート」と言うと表面上のデザインを想像すると思うが、何もデザインに限ったものではない。ホームページの「コンテンツ」や「ページ構成」なども、テンプレート化されていることが多い。

例えば、美容室のホームページなら、「コンセプト」「メニュー」「スタッフ」「アクセスマップ」「クーポン」というページをあらかじめ用意しておく。美容室から依頼が来た際、それをそのまま提案することで、制作会社は企画設計にかかる時間とコストを削減する。その結果、この美容室も、ホームページを割安で制作することができる。

しかし、注意しなければいけない。ホームページ本来の目的やターゲットがきちんと議論されないまま制作を進めてしまうと、「あなたのお店」ではなく、「世間一般的な美容室」のホームページになってしまう。結果、思うような成果が得られないかもしれない。

デザインだけオーダーメイド?

格安のテンプレート制作に対抗して、低価格でしかもデザインをオーダーメイドしてくれる制作会社も多い。しかし、よく考えてみてほしい。デザインとは、企画設計段階を経て最終的に作られるアウトプットだ。そのため、いくらデザインだけオーダーメイドしても、そこに至るまでの企画設計段階を省略していたら意味がない。デザインがオーダーメイドだからといって、必ずしも効果が高いとは言えないのだ。

こうして企画設計段階が省略されれば、依頼した側もデザインの好みでしか良し悪しを判断できなくなる。作る側も「テイストの違うデザインを3パターン作ったので好きなやつ選んでください」なんて無責任なことを言い出すようになる。結果として「見た目は良いけど意味がない」ホームページになりやすいので注意してほしい。

ホームページの制作には、多かれ少なかれテンプレートが用いられる。値段だけを見て全てをテンプレートで済ますのではなく、要所要所で上手にテンプレートを活用することで、クオリティを落とさずに、料金を抑えることが理想だ。

ホームページの所有者は?

ホームページの所有権や、データをどこに置くかを事前に把握しておくことも大切だ。

例えば、レンタルサーバを自社で直接契約するのか、制作会社を経由するのかでも、料金や保証の範囲などは変わる。また、制作費とサーバ費がセットで「月々いくら」というプランを提供する制作会社と契約した場合、何らかの理由で制作会社を変えようとした時に、スムーズにデータの移行ができない恐れもあるため注意したい。

クラウドサービスを使ってホームページを構築する場合も注意が必要だ。クラウドサービスのデータは雲の上、そのサービス自体がなくなったらデータも消滅する。高機能なシステムを低価格で使用できるのがクラウドの良いところだが、事前にリスクを把握しないと思わぬ落とし穴が待っている。

こういった問題は、ホームページを制作する前に分かるものだから、必ず確認して、不明な点や心配な点を事前に解消しておこう。

料金に相場はない

結局のところ、ホームページ制作料金に絶対的な相場はない。いくつもの制作会社に話を聞き、見積もりを取り、相対的に判断するしかないのが現実だ。
そして、実際に作業をするのはコンピューターではない。生身の人間だ。金額だけに目を奪われることなく、たくさん質問したり、疑問を投げかけたりしながら、本当に信頼できるパートナーなのか確認しておく必要がある。
あなたは、ちょっとの手間で、大きな失敗を未然に防ぐことができる。ホームページは安い買い物ではない。間違っても、料金だけを見て、焦って決めるのは避けるべきだろう。

前田 大地

Designer / Developer

前田 大地

沼津高専中退。デザイン会社、システム開発会社を経てセブンシックスを設立。マーケティング、デザイン、テクノロジーに精通するオールラウンダーとして、県内の中小企業に向けた戦略型ホームページ制作を開始。一方で、都内代理店からの要請で大企業案件にも多数参加。企業が本当に必要とするホームページ制作とは何か、を日々探求している。

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