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【初心者必見!一眼レフカメラ道場】はじめてのクリップオンストロボ!選び方から使い方まで優しく解説

前田 北斗

セブンシックスの北斗です。

室内で撮る子どもやペット、料理の写真を、もっと綺麗に残したい。。。
そんなあなたに必要なのは、クリップオンストロボ(別売りのカメラにつけるストロボ)でしょう!
クリップオンストロボがあれば、今まで上手に撮れなかった室内写真が簡単に、そして綺麗に撮れます!
今回は、クリップオンストロボの魅力から使い方、はじめての1台の選び方まで解説していきます。ぜひ参考にしてください!

クリップオンストロボは初心者こそ使うべし!

一眼レフカメラを買って写真を撮るようになると、あれこれ欲しくなるものです。
もっと良いレンズ欲しいなぁとか、もっと丈夫で軽い三脚が欲しいなぁとか。
でも、ちょっと待ってください。
1番はじめに買うべきなのはクリップオンストロボです!
特に室内撮影においては、ストロボは必須級。

もしあなたが室内写真を上手く撮れないのなら、それはあなたの腕のせいでもないし、カメラの性能のせいでもありません。
ストロボを使っていないからです。

こんな勘違いをしていませんか?

  • 一眼レフカメラは、ノンフラッシュでこそ意味がある
  • カメラの設定で、写真の明るさ調整は十分にできる
  • 高価なカメラやレンズなら、ストロボはいらない

ストロボは安定した光を与えてくれるので、写真の色味(ホワイトバランス)は美しくなり、手ブレや被写体ブレが極端に減り、被写体の質感もきちんと表現できるようになります。
あなたの写真は、クリップオンストロボで劇的に変わります。
写真が楽しくなってきた初心者にこそ、クリップオンストロボが必要なのです!

ここまで違う!ストロボあり・無しで写真を比較

ストロボを使うと写真がどう変わるのか見てください。
一般家庭の室内照明で、夜に撮影した写真です。
みなさんも良く撮るであろうペットを撮影してみました。

絞り優先モード(Aモード・Avモード)でF4に設定して、ISOオートで撮影しました。
特に難しい設定をしたわけではありません。

ストロボなしの撮影では、室内照明では明るさが足りないためシャッタースピードが遅くなり、被写体ブレの写真になってしまいました。
ちょっとでも猫が動こうものなら、このようにブレた写真になるのは仕方ありません。
また、室内照明ではどうしても暗くなる部分が多く、寂しい印象を与える写真になります。

一方、ストロボを使うと、同様のシチュエーションでもブレのない写真が撮れます。
光が全体に回っているので、影が薄くなっているのもストロボの為せる技ですね。
目に光が入ることで表情が生き生きとして見えますし、可愛らしく撮れています。

このようにクリップオンストロボは、内蔵フラッシュと違い自然な明るさを表現できます。
しかも、やり方はとっても簡単なんです。
後ほど詳しくご説明いたしますので、まずはクリップオンストロボについての理解を深めていきましょう。

クリップオンストロボのここがすごい!

簡単に始められる

クリップオンストロボの使い方はいたって簡単です。
カメラの上部に取り付けて、TTL自動調光(i-TTL、E-TTL、P-TTLなど)を選択し、シャッターを切るだけ。
TTL自動調光というのは、ストロボの発光量を自動で調整してくれる機能のことです。
設定が特に必要無いので、いつも通りシャッターを切るだけで綺麗な写真が撮れるんですよ。

つまり、クリップオンストロボは手にしたその日から楽しく使えるということです。
すごいぜ、TTL!

カメラの性能に関わらず、室内写真が美しく

室内の照明は、屋外に比べるとものすごく暗いです。
そのため、ISO感度が上がりすぎて写真がザラザラになったり、ノイズが入ったりする場合があります。

ストロボで光を補うことで、この問題は一発解決です。
自分のカメラは安いやつだし性能が悪いからな、などど嘆く前に、ストロボ撮影に挑戦してみましょう。
驚くほど綺麗な写真が撮れますよ。

また、ストロボは強力な光を供給できるので、室内の照明が暗くても、照明に色が付いていても被写体を綺麗に映し出すことができます。
ストロボを使うと、環境光の影響がほとんどなくなるからです。

余談ですが、カメラを始めたばかりのころ、私はなぜかストロボの使用は邪道だと思い込んでいたフシがありました(笑)
今ではクリップオンストロボをガンガン使いますし、ストロボ無しで室内写真に臨むのは無謀だと思っていますよ。

圧倒的なパワー、方向も自由自在

カメラ内蔵フラッシュと比べると、発光量の差は圧倒的です。
クリップオンストロボは瞬間的に強い光を発します。
ストロボと同じ光量を照明(定常光)で再現しようとすると、とても大掛かりな機材が必要になるんです。
小さくて手軽なのに十分な光が得られるということが、クリップオンストロボの強みです。

また、内蔵フラッシュと違い、上に向けて発光したり、横に向けて発光したりと方向が自由自在です。
ストロボを直射すると不自然な写真になりがちですが、すごく自然な光を再現できるのは方向を自由自在に変えられるからなのです。
これこそがクリップオンストロボの最大のポイント!
ものすごく有能で、万能で、汎用性が高い!(同じこと言ってる?)
後ほど詳しくご説明しますね。

動く被写体もブレない

子どもやペットを室内で撮る時、明るさが十分でない場合はシャッタースピードが遅くなり、ブレた写真になりがちです。
「頼むから動かないで!」という心の叫びは彼らには届きません。

しかし、クリップオンストロボを使えば、その問題も解決します。
ストロボを使うと、被写体を止めて捉えることできます。
難しい説明は省きますが、クリップオンストロボがあればシャッタースピードに悩む必要はありません。
我が子の遊ぶ姿や、愛犬の可愛らしい姿を、バシバシ撮影することができますよ。

これが醍醐味!天井バウンスは超優秀

天井バウンスとは、ストロボを天井に向けて発光させ、光をはね返らせて撮影する手法です。
先程ご紹介した猫の写真も、この方法で撮影しました。
天井から降り注ぐ光は、自然なカタチで被写体を照らします。

使い方はストロボを上に向けるだけ

さらにすごいのは、とても簡単にできてしまう点です。
やり方はたったの3ステップ。

  1. カメラの上部にクリップオンストロボを取り付けて電源オン
  2. ストロボをTTL自動調光(i-TTL、E-TTL、P-TTLなど)に設定
  3. ストロボ発光部を上に向けて、シャッターを切る

たったこれだけです。
ストロボの使い方を何も知らなくてもできてしまうほどの手軽さ。
適正な明るさになるように、ストロボが自動で発光量を調節してくれるので、失敗することもありません。

そういえばカメラ初心者だった私は、TTL自動調光しか使わずに気づけば1年が経過していました(笑)
他の設定をむやみに触るのが怖かったというのが当時の理由ですが、それだけ簡単にストロボを楽しむことができていましたね。

天井バウンスの注意点

天井バウンスを思い切り楽しむために、いくつか注意することがあるので覚えておきましょう。

天井の色

理想の天井の色は白です。
天井に色が付いていると、その色まで反射して被写体を照らしてしまいます。
そうは言っても、実際は真っ白な天井はそうありませんよね。
天井の壁紙に模様が入っていたり、木目調だったり、一般家庭では真っ白い天井の方が稀です。
「白い天井でしか天井バウンスは使えない」のでは無く、「天井バウンスでは天井の色が写真に影響する」と覚えましょう。

ただ気を付けて欲しいのは黒っぽい色の天井です。
黒っぽい色の天井だと光が吸収されて反射光が弱くなるので天井バウンスには不向きです。
ライブハウスやバーなどでは天井バウンスが難しい場合が多いですね。

天井の高さ

高い天井だと反射光が弱くなり、光量不足になることがあります。
天井が吹き抜けの場所や、大きな施設では注意が必要です。
一般家庭の室内や会議室のようなところでは、何も問題ありませんよ。

知って納得!ストロボ関連用語

初めはTTL自動調光が使えれば十分ですが、専門用語の意味がわかると気分が良いものです。
私自身がつまづいた用語をまとめてみました。
初心者でもわかるように言葉を選んで説明していますので、ご承知置きを。

ズーム機能
ストロボの照射範囲が変わる機能のこと。
例えば、24mmの時は広い範囲に、105mmなら狭い範囲で遠くまで光が届く。

発光量
ストロボの出力のこと。
1/1、1/8、1/128のように分数で表し、1/1発光のことをフル発光と呼ぶ。
フル発光だと電池はすぐに減るし、連射ができないので気をつけよう。

ガイドナンバー(GN)
ストロボのパワーを表す数値のこと。
「このクリップオンストロボはガイドナンバー60だから大光量だぜ」のように使う。
クリップオンストロボはフル発光で使うことは稀なので、ガイドナンバーが大きいと撮影に余裕が出る。
でもガイドナンバーが大きいクリップオンストロボほど高価なため、時には妥協も必要。

リサイクルタイム
一度光った後、次に光らせるまでに必要なチャージ時間のこと。
リサイクルチャージタイムとか、チャージ時間とか、人によって呼び方は違うかも。
リサイクルタイムが早ければイライラしないし、シャッターチャンスを逃すリスクも減る。
ストロボの機種によってリサイクルタイムが異なるため、確認せずに手に入れると悲しい思いをする。
使う乾電池によってもリサイクルタイムは変わるので、100均のマンガン電池は避けよう。

スレーブ機能
カメラから離してストロボを光らせる機能のこと。
カメラから離れたストロボを光らせる方法は大きく分けて3つある。
コード方式、光学スレーブ、ラジオ(電波)スレーブ。
中でも最近話題にあがるのがラジオスレーブ。
無線で、障害物に強く、距離が離れていても届くのでとても便利。
私は出張撮影がメインなので、セッティングのしやすさ等を重要視してラジオスレーブを採用しています。

ハイスピードシンクロ(FP発光)
シャッタースピード1/250秒以上の速さでフラッシュを使った撮影ができる機能のこと。
通常、フラッシュに同調するシャッタースピードに制限があるのでシャッタースピードは遅くなる。
ハイスピードシンクロの機能が無いストロボを使ってシャッタースピード1/500秒で撮影すると、画面半分が真っ暗になる現象が起きてしまうが、それを回避できるのがハイスピードシンクロ。
シャッタースピード1/8000sで撮影することも可能になる。
日中の屋外などの明るい場所でストロボを使う場合(日中シンクロ)や、背景を暗くして被写体だけ浮き上がらせて撮りたい時などに使用する。
ちょっと上級者感のあるテクニック。

壁バン
天井ではなく、ストロボを壁に反射させて撮るテクニックのこと。
壁ドンではない。

クリップオンストロボを買う時は、ここをチェック!

実は、安いストロボは3,000円くらいで買えます。
昔は「結局のところ純正が良いよね」という感じでしたが、最近では非純正(サードパーティ)のストロボも優秀なものが多いので、選択肢の幅が広がりました。
でもちょっと待って!
買う前にチェックするべき5つのポイントをご紹介します。

上下左右に首振りできるか

上下だけでなく、左右に首振りできるかチェックしましょう。
カメラを縦位置に構えた状態で天井バウンスをやるなら、横の首振りが必要になります。
一番大事なポイントなので、絶対に絶対に確認をしましょう。

TTL対応か

TTL自動調光の機能が無いストロボもあるので注意が必要です。
これがないと、ストロボのやる気がへし折られる可能性大です。

ガイドナンバー(GN)

ガイドナンバーは大きいほど撮影に余裕がでます。
ただ、ストロボを比較する時に注意してほしいのが、GNの隣に書いてある注釈です。

例えば、こんな感じで書いてあります。

Nikon SB-5000
34.5(ISO 100・m)
(照射角35mm、FXフォーマット、スタンダード配光時)

Canon 600EX II-RT
60(照射角200mm設定時、ISO100・m)

この2つを比較するとガイドナンバーが34.5と60なので、NikonのSB-5000が全然パワーの無いストロボに見えますが実は違います。
上記の2つでは照射角という前提条件が違いますよね。
照射角が同じ200mmの場合、Nikon SB-5000のGNは55になるそうです。
GN55とGN60なら、それほど大きな差ではありませんね。

このように他メーカーと比較するときは、照射角を含めた前提条件を揃えないといけないので注意しましょう。
ちょっと難しい部分ですが、「GNは大きいに越したことはない」「単純にGNだけ見て比較できない時もある」ということは覚えておきましょう。

リサイクルタイムはどのくらいか

リサイクルタイムはもちろん短い方がいいです。
連続発光の間隔が早いければテンポよく撮れるし、シャッターチャンスを逃すリスクも減ります。
リサイクルタイムが長いと、結構イライラするんですよね。

ハイスピードシンクロ対応か

用語説明でも触れましたが、ハイスピードシンクロに対応しているストロボの方が、後々楽しめるかもしれません。
なんでもかんでも機能が豊富な方が良い、とは思っていませんが、私はハイスピードシンクロ非対応のストロボは間違っても買いません。

クリップオンストロボは、あなたの成長を加速させる!

いかがでしたか?
ストロボを1個持っているのと持っていないのでは、撮影の幅に大きな差が出ます。
高価な純正ストロボに手が届かないのであれば、非純正のストロボもぜひ検討してみてください。

ちなみに、最近私はGODOXのV860-IINというストロボを買いました。
Nikon対応はN、Canon対応はC、SONYはS、FUJIFILMはFが末尾に付いています。
購入当時1台20,000円くらいとすごく安かったのですが、仕事でもばっちり活躍してくれています。
そうそう、初めて買ったストロボはNikonのSB-700でした。
純正なら間違い無いだろう、という思いだけで買いましたが、このストロボのお陰でライティングに興味を持つことができましたね。

クリップオンストロボのまとめ

  • 初心者こそクリップオンストロボを使うべし
  • 室内写真がきれいに撮れないのは、ストロボを使っていないから
  • はじめは、難しい設定無しのTTLだけ使っていればOK
  • 天井バウンスは超優秀
  • はじめてのストロボの最低条件は、上下左右の首振り可能でTTL対応

「初心者は良いレンズ買うより、まずクリップオンストロボ」というのが、私の考えです。
室内撮影が面白いほど良く撮れるようになるので、もっとカメラ・写真が好きになれると思いますよ。
ストロボって楽しい!と感じられると、次のステップへ進みたいという意欲も湧いてきます。
ぜひあなたもクリップオンストロボを手にして、新しい世界に出発しましょう!!

これからも一眼レフカメラの役立つ情報をお届けしていきます。
このページをブックマークをして、写真撮影やカメラ操作で迷った時はこのブログを参考にしてください。
それではまた、次回のブログでお会いしましょう!

一眼レフカメラ道場 記事一覧
第1回 オート撮影からの脱却
第2回 オートフォーカスを使いこなす
第3回 F値とは
第4回 シャッタースピード・露出・ISO感度とは
第5回 露出補正・測光モードとは
第6回 背景をぼかすための4つの方法
第7回 ホワイトバランスとは
第8回 正しい構え方と水平・垂直
第9回 必須のカメラアクセサリーとは
第10回 料理を美味しそうに撮る方法
第11回 親指AFで動き回る被写体をバッチリとらえる!
第12回 カメラ×Wi-Fiはこんなにも素晴らしい!
番外編 初心者におすすめしたい一眼レフカメラの選び方
第13回 5分でわかる!RAWとJPEGの違い、RAWのメリットデメリット

Web Director / Photographer

前田 北斗

金融機関の融資担当として10年にわたり第一線で活躍。その後、セブンシックスに加入。洞察力、分析力を軸としたWebコンサルティングを得意とし、リサーチや戦略策定、情報設計を担当する。クライアントと向き合うことを信条とし、ウェブ担当者の育成にも力を注いでいる。また写真家としての一面を持ち、カメラ講座の講師も務めた。大の猫好き。

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